第50回 常総きぬ川花火大会・花火写真コンテスト
開 催 日:2014年8月30日(土)
応募締切:2014年9月30日(火)
応募者数:87名
応募点数:168点
審 査 員:小野里公成[花火写真家]
講 評
良い天候とメイン会場に至っては素晴らしい風向きにも恵まれました。花火も全てが見応えのある内容で、どの瞬間を切り取っても素敵な作品になりそうな、興奮の一夜だったと思います。それを反映してレベルの高い多くの力作が集まりました。それだけに選者を悩ませてくれましたが、作品の一枚一枚に花火の感動が蘇り嬉しく楽しい選考タイムでした。
デジタル全盛の時代になって、一番難しくなったのが「色合い」だと思います。色は最も先に目に飛び込んでくる要素です。その晩見た花火は本当はどういう発色だったのか?それは現実とは違っていても見た目がカラフルならそれでいい、というのではなく、ひとつひとつの花火の個性、ひいては花火業者の持ち味の色を正確に写し取っていなければならないと私は考えます。色彩が構図、タイミング、花火の散り具合、全体のバランスと相まって作品を印象づけているのです。撮影者本人がそのことを了解した上で作品を造っているか?私はその全ての行程で作者の意図が正しく貫かれている時、それは素敵な一枚になると思うのです。
惜しくも入賞を逃され、同じ瞬間を撮っているはずなのにどうして?と思われた方は機会があればじっくり入賞作と比べてみてください。
推薦
茨城県知事賞
武田 浩(富谷町)
寸評
横ワイドのスターマインを縦位置で切り取って成功しました。大玉もバランス良く位置していると思います。野村花火お得意のきらびやかな変色星が乱舞して美しい仕上がりでした。
特選
茨城県議会議長賞
大島 正美(横浜市)
寸評
その日その場を撮影場所に選んだことが作品を決めてしまうわけですが、作者の位置とこの晩の風向きと花火が融合して魅力在る作品になりました。こんな風に綺麗に葉落が落ちていく姿はなかなか見られません。発色は本当の色より少々派手目ですが、躍動感と気品のある絵柄は素敵です。足元と対岸の夜店群も風情を醸しています。
準特選
茨城県商工労働部長賞
菅野 斗施雄(さいたま市)
寸評
扇打ち5連発の時間が相当長かったので、その全貌を捉えるのは工夫が必要だったと思いますが見事な作品になりました。従って絵柄と構図はトップ賞クラスです、残念ながら発色が今一歩というところでそれが惜しまれます。
準特選
茨城県観光物産協会長賞
木村 真理子(京都市)
寸評
この瞬間も多くの応募作がありました。総合で頭ひとつ抜いた感じです。全体は若干明るめですが、それによって下部の会場や打上場所の描写に優れています。同時に花火の方は少し力が抜けてしまいましたが、実際の花火に近い発色、花の散り具合、異種の玉が入り込んでいない絶妙のタイミングは見事でした。
入選
常総市長賞
塚田 良治(土浦市)
寸評
豊水橋越しのおなじみの構図ですが、ダイナミックで動きのある瞬間を捉え実にバランスよくまとまりました。発色を調整すれば色の鮮やかさが引き立つと思います。
常総市議会議長賞
藤野 芳正(館林市)
寸評
最後の一斉出しの葉落と、その前の星打ちを見事に色彩豊かな作品にされています。構図は若干窮屈ですが、それが力強さを出している点でもあると思います。
常総市教育委員会教育長賞
南雲 郁美(魚沼市)
寸評
野村花火の微妙な中間色が美しい作品です。同じタイミングの応募作の中で綺麗に発色していることが群を抜きました。八方咲きだけでまとめればもっとすっきりしたかと思います。
常総市観光物産協会長賞
布山 勝也(古河市)
寸評
葉落の流れが気品在る動きとなって映り、色彩と相まって涼やかで華やかな作品になりました。上空の開花も大胆に入り、全体を雄大な感じに見せています。
常総きぬ川花火大会会長賞
上田 悠平(京都市)
寸評
「きらめきの花」を綺麗に写し止めました。応募作の中ではより実物に近い発色でそれをきちんと再現できればただ一発の割物写真も、その玉の個性を見せて魅力的な作品になります。プリントでの盆の配置も適切でした。
審査員特別賞
渡辺 俊大(港区)
寸評
表題通りまさに川縁から大きく流れを取り入れ、シンメトリーに川面に映る花火を捉えたもので、狙ったとおりの絵になったことと思います。花火とその反映だけでなく対岸や川縁、背後の空の描写も在るのが良い雰囲気です。
谷口 つかさ(日野市)
寸評
うーん、これは参りました。喧噪の中で針の落ちる音を聴くかのような着目です。私も含めたいていの人はナイアガラ全体と次に来る花火に備えてそれだけを見ていると思います。そこで月とナイアガラのツーショットに気が付くとは。