コンテスト

第51回 常総きぬ川花火大会・花火写真コンテスト

開 催 日:2015年8月29日(土)
応募締切:2015年9月30日(水)
応募者数:68名
応募点数:124点
審 査 員:小野里公成[花火写真家]

講 評

直前までの降雨で、湿度等ベストとはいえないコンディションでしたが、幸い風にも恵まれて予定通りの花火大会が開催されたのはなによりでした。
相変わらず全体の中で絵になる常総らしいシーンは限られており、そこに作品が集中してくるのは予想通りでした。その中でわずかなタイミング差、正確な発色、構図などで僅差の優劣を見極めて行くのは思いのほか困難な選考になったと感じます。
デジタルならではの調整や合成の処理も一般的になりつつありますが、結果が「自然に見える」かどうか?を私は注意して選ばせていただきました。上位の作品の特徴は仕上げの狙いが明確ということがあげられます。発色、トリミング、フレーミングなど調整のカンどころをよく押さえて作品作りをしているものが多く感心しました。早いピッチで放たれるワイドスターマインはほんのわずかのシャッタータイミングの差で絵柄が激変しますから、私の撮る作品ともまったく違った素晴らしい光景も多く、作品を鑑賞しながらの選考も楽しいひと時でした。

大賞

茨城県知事賞

「エンターテイナー」

大島 正美(横浜市)

寸評

撮影場所からの見え方を活かした安定の良いダイナミックな構図とタイミング、クリアな発色によりミュージックスターマインのクライマックスの一瞬がひときわ浮き立って見えます。なによりもこのフレームの比率の中で完成された構図に仕上げている点を評価しました。

特選

茨城県議会議長賞

「夕映えの風景」

新井 明雄(春日部市)

寸評

大賞作とほぼ同じ瞬間。甲乙付けがたく、発色やタイミングも遜色がありません。唯一惜しいのは応募された用紙のフレームの中では、左右のスペースが活かされていないと感じます。フレーム一杯まで延ばすか縦で切り取るか?用紙の比率を変えるか、そこが最後の詰めだったと思います。

準特選

茨城県商工労働部長賞

「緑の花園」

荒井 廣美(熊谷市)

寸評

多くの同じシーンの応募がありましたが色合いの適切さで印象的でした。この縦横比の中でバランス良く配置していますが、画面下部が詰まり気味なのでもう少し入れたいところです。

準特選

茨城県観光物産協会長賞

「未来への扉」

菊池 健一(世田谷区)

寸評

ミュージックスターマインのワンシーンを的確な発色とタイミングで押さえています。画面内の収まりも適切で中央の八方咲きが画面を引き締めていると感じます。全体にもう少し明るめに調整しても良いと感じました。

入選

常総市長賞

「光の波紋を頂いて」

南雲 郁美(魚沼市)

寸評

天空に光の波紋が聳えて、観客、お店群、そして撮影者の観覧場所と4つの場が収まって、縦長の用紙を活かしたライブ感のある構成です。花火の瞬間も見事でした。上も下も少し窮屈な感じですので若干上に振って上に力を逃がすと開放感がありました。

常総市議会議長賞

「妖艶」

藤野 芳正(館林市)

寸評

タイトル通り艶やかな赤系の八方咲きのシーンでまとめて成功しています。縦位置での構成もバランス良く収まりました。全体に少し明るめの調子にすると陽気な艶やかさが引き立つのではないでしょうか。

常総市教育委員会教育長賞

「大団円」

岡田 幸博(東大阪市)

寸評

まさにミュージックスターマインのラストの一斉を的確な技術でとらえています。玉数も多く迫力のシーンですが、それが十分には伝わってきていないようです。それはフレーム内にこのシーンにしては全体が綺麗に収まりすぎているからで、花火内容の割におとなしく感じる所以と思います。プリントの際にシーンにマッチしたトリミングが在ったのでは?と感じました。

常総市観光物産協会長賞

「大きく手を広げて」

成島 正人(守谷市)

寸評

大きく手を広げるような引き柳の錦が雄大な感じです。このシーンで難しいのは青色の花火のディテールと星の色を出す事ですが、上手に全体の調子を再現しています。タイミング良くまとまりました。若干下に振って花火の足元をもうすこし入れたいところです。

常総きぬ川花火大会会長賞

「にじいろ」

飯田 弘一(矢板市)

寸評

この煙火店得意の虹色変化が鮮やかな発色で再現されています。昇り小花も同種の星なので花火玉の一部として一緒にとらえているのも好ポイントと思います。

佳作

「青い感動」

皆川 徹(春日部市)

寸評

画面一面に青系中心の色星が散りばめられて、視界が青の世界に支配されたようです。下部には観客のシルエットも入り、思い切りの良い構図がダイナミックです。全体にアンダー目ですので明るめに調整すると華やかになったと思います。

「橋上のファンタジー」

中山 元春(下妻市)

寸評

今回は風向きからは豊水橋方向からの撮りは難しい条件でした。玉の多いスターマイン系でなく5号対打ちで作品に仕立てたのは正解だと思います。親星のディテールが良く出ていて小花とあいまってファンタスティックな作品になりました。